日本の美術教育の問題

こんにちは。

アートライフギャラリーN 代表の中田園子です。

このブログでは、私が日々考えていること、思い付いたこと、発見したこと、おススメなこと・モノなどを自由に発信していこうと思っています。

先日観たYouTube動画が、私の心にグサグサ刺さったので、これについて語りたいと思います。

件のYouTubeと言うのはこちら。

この対談動画は2部構成になっていて、どちらも大変面白いのですが、私が特に共感の嵐だったのはこちらの後編。

後編では、「ブルーピリオド」という人気マンガを取り上げて、日本の美術教育の問題点を挙げています。

このマンガ、私も実はまだ読んだことがないのですが、作者は東京藝大卒で、ご自身の実体験を元に、山田五郎さん曰く、「美大教育の問題」を提起しているとのこと。

平たく言うと、藝大を筆頭に日本の美大は入口も出口も超絶悪い、と言うことです。

入るにはお金、場合によっては時間もかかる上に、苦労して入って卒業しても、学んだことを活かす仕事に就けない。

今どきの藝大生や他の美大生たちはリクルートスーツを着て、普通に一般企業で就活している、のだそうです。

アートで食べていけない現実です。

ただしここでいうアートは絵画や彫刻などのいわゆるファインアート(デジタルやデザイン、映像などは除く)です。

美大では、高い授業料をとって(私大の場合)技術は教えるが、それを活かす道を一切示してくれない。

それなら、大学ではなく技術だけを教える学校か、弟子入り制度でいいのではないかと、山田五郎さんもおっしゃっていました。

全く同感です。

まさに、うちの息子が美大への進学を悩んでいた頃、同じことを言っていました。

美術を学んでその先どうするんだ、と。

親が子どもに言うセリフのように聞こえがちですが、逆です(笑)。

私もその時、単純に絵やモノづくりが好きで得意なら、そのまま美大へ行けば良いと思い込んでいました。

出口のことをあまり考えていなかったのです。

大学へ行けばなんとかなるだろうと、安直に。

タイミングが来れば、息子もそれこそリクルートスーツ着て就活するのだろうと。

大学は学ぶだけでなく、出会いの場である要素の方が大きいと思っていました。良い出会いがあれば、将来、たとえ美術分野でなくても何か道が開けるかなと。

たしかにその可能性はあります。

しかし、アートを諦めたくない、一般企業へ就活したくない人はどうすれば良いのでしょう?

大学の入り口ではある程度のスキルを求められ、在学中はそれに磨きをかけるが、出口では、全く関連のない分野への就職を余儀なくさせられる。

美術を真剣に、真面目にやろうとしている人ほど、矛盾を感じるのかもしれません。

私個人的には、アート一本で食べていくことは正直難しいし、そうする必要はないと思っています。

アートに限ったことではありませんが、変化が速く、先が見えない時代では、収入の柱は複数持っておくべきだと思います。

アートはその一つとして持っておいて、それ以外の道も持っておけばより良いということです。アート以外の仕事に就いたからといって、アートを諦める必要はないと思っています。

しかしアートを諦めずに、ビジネスにするにはどうしたら良いのか。

日本では美大生や美大を卒業したばかりのアーティストの作品はなかなか評価されない、という現状です。

中には自分でSNSなどを駆使して、自分の作品を売っている気骨のある人たちもいますが、私の肌感では美術を学んでいる、あるいは学んだ若いアーティストの多くはビジネスにつなげることをせず、趣味の範囲で細々作品を作っている印象です。

アーティスト本人たちの、自己評価も低いように感じます。

若い、熟練に関わらず、良いものは良い、と正当に評価され、作品を欲しい方へ届けられる土壌を作っていきたい。

アーティストの表現能力を潰すことなく、伸ばして、ビジネスに繋げられるインフラを。

かなり大きな野望ではありますが、アートライフギャラリーNとしてできることを少しずつやって変化を起こし、アートがもっと盛り上がる社会を作っていきたいと考えています。

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中田園子

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