我が息子のこと

アートライフギャラリーN 代表の中田園子です。

このブログでは、私が日々考えていること、思い付いたこと、発見したこと、おススメなこと・モノなどを自由に発信していこうと思っています。

前回、日本の美術教育の問題について思うことを書きました。

それに関連して、今回は我が息子のことについて書いてみます。

私には3人子供がいますが、一番上の長男についてお話ししたいと思います。

彼は現在19歳で昨年某美大に進学しましたが、後期から学校に行くことをやめてしまいました。オンライン授業も受けていません。

本人は学校も美術も専攻していた彫刻も辞めたいと言っています。

最初にそれを聞いた時、私たち親をはじめ、教授や彼の周りの大人は、一様に衝撃を受け、彼に考え直すよう説得にかかりました。

まだ今年入ったばかりじゃないか。

何が嫌なの?

何か他にやりたいことがあるの?

他にやりたいことがないなら、今すぐ辞めなくても、まずは休学して考えてみたら?

などなど。

親には言わないだけで、本人は実は何かやりたいことがあるのかもしれませんが、現時点では特に決まっていないとのことでした。

本気で美術も学校も辞めるのか、迷いもあるように見え、他の道を探ることも含め考える時間がほしい、と1年間休学することで本人も私たち親も同意しました。

しかし、本人と話すうちに、彼の心の中では、すでに今の大学に戻る気持ちはなさそうであることは私にはわかりました。

学校を辞めたい理由は何なのか。

学校選びが間違っていた?

他の大学も検討してみたらどうか?

聞いてみると、今の学校についていろいろと不満を挙げていましたが、だからといって他の美大や専門学校に行きたいというわけでもない様子。

美術から離れたいと言っているが、作品は今も作っている。

彼のこれまでの歴史も踏まえて考えてみると、この人は学校というハコにはまらない、はまりたくない人なのではないかと気づきました。

そして彼が今在籍する学校に出願する際に提出した書類に書いていた言葉を思い出しました。

うろ覚えですが、確かこんなことを書いていたと記憶しています。

「私は常に表現者でありたいと思っています」

アーティストと呼ばれる人たちは、自分の内面から出てくるものを自由に表現する人々だと私は認識しています。

長男は、もしかすると「学校」にいると自由に表現できないと感じているのではないか。

当時の気持ちが、彼の心にまだ残っているかどうかはわかりませんが、今も表現者でいたいと思っているなら、「学校」という枠組みの中にいても、それを超えてもどちらでもできるのではないか、と思い始めました。

「学校」に固執するあまり、表現したい気持ちを失ってしまうくらいなら、そこから出れば良い。

ただ、出たとしても経験も浅い、無名のアーティストが、自分の作品一本で生きていくことは、至難の業であることも確かです。

この大変化の時代に、収入の柱が一本だけというのは危険で、複数持っておいた方がいいということは、多くの人が気づき始めています。

アーティストという顔をその複数のうちの一つとして持っておくという選択肢を捨てず、表現し続けていってほしい。

我が息子だけでなく、全てのアーティストの皆さんに対してそう願っています。

そんなアーティストたちの作品を多くの人々に知っていただき、ほしい方に届けることで、アーティストを応援する活動を、これからも当ギャラリーでは続けていきます。

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中田園子

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