上野でフェルメール

アートライフギャラリーN 代表の中田園子です。

このブログでは、私が日々考えていること、思い付いたこと、
発見したこと、おススメなこと・モノなどを自由に
発信していこうと思っています。

今日は「フェルメールと17世紀オランダ絵画展」を観に
上野の東京都美術館へ出かけてきました。

長男の高校生時代、彼らの作品展示が同美術館で行われることが多かったので、
ここに来ると、あの頃を思い出し、懐かしい気分になります。

ちなみに東京都美術館の隣の上野動物園は、1月11日から感染拡大防止のため、
しばらく休園中となっていました。

なんとなく寂しい気分。
1日も早く賑わいを取り戻せるよう、感染が収束してほしいものです。

で、今日の展示ですが、例のごとく、なんの下調べもせずに行ったので、
見始めてから、「なるほど、そういうことだったのね!」と
趣旨を知ったという次第です(^^;;

タイトル通り、フェルメールをはじめ、17世紀のオランダにおける
代表的絵画作品が展示されていたのですが、今回の展示の目玉は
フェルメールの「窓辺で手紙を読む女」という作品に隠された(!?)
というものでした。

フェルメールの初期の傑作である同作品は、目にしたことがある方も
多いと思います。
この作品の謎についても、単に私が知らなかっただけで、ご存じの方も
多いかも知れませんね(^^;;

その謎というのは、この作品に描かれている手紙を読んでいる女性の
後ろの壁面には、もともとキューピッドの画中画が描かれていたにもかかわらず、
塗りつぶされて、無地の壁面とされていました。

フェルメールの死後、この作品をX線で解析したところ、画中画の存在が
明らかになったとのことで、これは長年フェルメール自身が消したものだと
考えられていましたが、そうではなく、何者かにより消されていたという、
最近の調査結果が2019年に発表されたそうです。

誰が、どんな目的でこのキューピッドの画中画を塗りつぶしたのか。

これについては謎のままのようですが、このキューピッドの画中画の
修復作業の様子が、今回の展示会場で披露されていました。

少しずつ、おそるおそるニスを剥がしたりと、気の遠くなるような
細かく地道な作業を経て、修復された作品がこちら。

修復前の無地の壁面バージョンはこちら。

ちなみにこれら二つの絵はミュージアムショップで買った
ポストカードの写真です。
修復前バージョンと修復後バージョンが売られていました。

愛のシンボルであるキューピッドの画中画が
描かれていることで、女性が読んでいる手紙は恋文であることが
示唆されている、と言われています。

キューピッドが消されてしまった理由については謎のままですが、
個人的には、修復前の無地の壁バージョンの方がシンプル、かつ
余白を残すことで想像を掻き立てられるので好きだなぁと
感じました。

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