アートライフギャラリーN 代表の中田園子です。
このブログでは、私が日々考えていること、思い付いたこと、
発見したこと、おススメなこと・モノなどを自由に
発信していこうと思っています。
今日はパナソニック汐留美術館へ、「ピカソ ひらめきの原点」展を
観に行ってきました。
イスラエル博物館所蔵の作品から120点ほどが展示されています。
今回の展示は、私の個人的感想でいうと比較的「地味」な
展示という印象でした。
ピカソというと、割とカラフルで大胆な作品を思い浮かべがち
(私は)なのですが、今回の展示では、モノトーンの版画作品が
多く含まれていたせいか、なんとなく地味な印象を持ちました。
版画と言っても、さまざまな手法があり、エッチング、
ドライポイント、リトグラフなど。
ぱっと見は細い線で描かれているようなものも多く、
シンプルかつ繊細な印象の作品が多くありました。
とはいえ、晩年の「347シリーズ」と言われる版画作品は
ピカソの作家魂が込められた、大変刺激的な描写もあり、
観る側に訴えかけてくるものがありました。
ピカソの生涯で関わった女性が複数名いたことは
有名ですが、それぞれの女性からインスピレーションを
受け、その時代時代で、作品に投影されている
様子が見られたのは大変面白かったです。
中でも私が個人的に印象に残ったのは、ギリシャ神話に
出てくるミノタウロスをモチーフに使った版画作品群です。
特に「夜、少女に導かれる盲目のミノタウロス」という
作品が強く心に残りました。
当時の恋人であった、マリー=テレーズを思わせる少女に
導かれる盲目のミノタウロスは、ピカソ自身をなぞらえて
いると言われています。
ミノタウロスは半人半牛の怪物ですが、ピカソの
作品には牛をモチーフにしたものが多く、
それはスペイン出身のピカソが、闘牛を
こよなく愛したからとも言われています。
展示場の入り口付近に書かれていた
ピカソの言葉がとても私の心に響きました。
「私は対象を見たままにではなく、
私が思うように描くのだ」
ピカソの「ひらめきの原点」は
この言葉に集約されているように思います。
「ピカソ ひらめきの原点」展は、
パナソニック汐留美術館にて、6/19まで!
事前予約がおすすめです。
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